2025年12月4日に行われた第206回社会保障審議会・医療保険部会では、出産に対する支援の強化について大きく議論されました。昨今は出産育児一時金が増額される一方で、出産費用そのものも上昇しています。「最終的に妊婦さんが自己負担ゼロで出産できる仕組みをどう作るか?」をテーマに議論された内容を整理してご紹介します。
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こども未来戦略加速化プランが前進
2023年(令和5年)12月に閣議決定された「こども未来戦略~次元の異なる少子化対策の実現に向けて~」では、3年間の期間内で集中的に取り組む施策が「こども・子育て支援加速化プラン(加速化プラン)」として示されました。
加速化プランには、妊娠・出産に関する経済的負担の軽減策が盛り込まれています。具体的な案として掲げられたのが、妊娠期からの切れ目ない支援、出産費用の見える化と保険適用などです。
方針 | 具体的な施策 |
|---|---|
| 出産費用の見える化の推進 | 全国出産施設に関する情報提供サイト「出産ナビ」の立ち上げ |
| 出産に関する支援強化についての検討 | 2026年度を目途とした出産費用の保険適用の導入 |
| 無痛分娩についての支援の在り方の検討 | 麻酔を実施する医師の確保など、妊婦が安全・安心に出産できる環境整備 |
今回話題となっている第206回社会保障審議会・医療保険部会においては「医療保険制度における出産に対する支援の強化」についての検討が進められ、出産費用を無償化するために、現在は分娩施設ごとに異なる分娩費用に全国一律の「公定価格」を導入し、その全額を公的医療保険でまかなうという案が示されています。2026年度をめどに制度設計を進め、2027年度以降の実施となる予定です。
この提案にいたるまで、これまでの社会保障審議会医療保険部会でどのように議論がなされてきたのか、その内容をみていきましょう。
出産費用の支援をどう見直す?給付方式の在り方

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